「働き方改革」だの、その目玉の一つとも言われた「高度プロフェッショナル制度(いわゆる高プロ)」など、労働時間に関する改革が、法案として国会に提出されるような今の時代に、
「家にまで仕事を持って帰る」
というのは、時代の流れに逆らっているのかもしれませんが・・。
そうは言っても、クラウド環境や仕事のパートナーとなる機器の充実が当たり前となってしまった現代では、
簡単に自宅でもどこでも仕事ができてしまいます。
”働く時間が長い”、”労働環境が悪い”と、会議室で議論しているだけではビジネスの現場は決して理解できるものではないでしょう。
昔の「24時間働けますか?♪」という労働環境よりは、ずっと自由な働き方ができる仕事も多くなっているんですけどね。
さてさて、
今回のお話は、そんないつでもどこでも仕事ができる人達にとっての自宅のテレビの使い方について書いてみたいと思います。
目次
”お茶の間で団らん”からシステム機器の一員へ
「テレビ」が普及し始めて、一家に一台が当たり前になった頃、
テレビは家族の団らんの象徴でした。
お茶の間に”でん”と構えるあの奥行きのある存在感は、
いつでも私たち家族を楽しませ、世の中の情報を与えてくれる頼もしい存在だったのです。
時代とともに体も少しスリムになった頃、
アナログ放送からデジタル放送へと変遷し、テレビの情報は受動ではなく能動的に使うものという意識も高くなりました。
そして、現在はインターネットへの接続機器ともなり、テレビは無限の情報を映し出すコンピューターと変わらなくなってしまいました。
こんな例もあります。
晩御飯も終わり、家族がリビングに揃ったとき、
お父さんはタブレットで明日の打合せ資料の確認、お母さんは食器の跡片付け、
お兄ちゃんはスマホでYouTubeを閲覧、妹はiPhoneで誰かとLINEの最中・・・そして、
43インチのテレビには、日本の歌手が歌っている映像が流れていました。
誰一人、テレビには目を向けていないのです。
「だったら消したらいいのでは?」
と考える人もいるでしょう。
ただ、なんとなく「無音」になるのは嫌なので、音楽代わりに点けていると。
20年前だったら、適当なチャンネルが音楽代わりになっていたでしょうけれど、
その時テレビに映し出されていた歌手の映像は、なんと「YouTube」の映像だったのです。
本当に、音楽代わりの機器として、インターネット上の映像を映し出していたのですね。
テレビがDTCP-IP対応のDLNA機器か確認する
このタイトルを見て「は?」と言う方も多いと思います。
異なるメーカー、異なる電子機器などで相互にインターネットを介して映像、音楽などのデータをやり取りできるようにするガイドライン。
コンテンツを暗号化し、不正コピーを防止する機能のこと。
ガイドライン(DLNA)に沿った、コンテンツ不正コピー防止機能(DTCP-IP)に対応した機器同士なら、違う機器同士でも、テレビの映像や音声データのやり取りができるようになる、ということです。
家の中に無線LAN環境が整っていれば、テレビ(有線・無線LAN対応)もそのネットワーク内のメンバーになれます。
しかし、テレビがLAN環境にいたとしても、DLNAやDTCP-IPに対応していないと、他の機器とシームレスにデータのやり取りはできません。
自宅のテレビがどういう仕様であるかは事前に確認しておく必要があるでしょう。
録画した番組を保存する機器を用意する
私もよくやりますが、ドキュメンタリーなどの情報番組を録画したにもかかわらず、
「全然見る暇がない」
という時があります。
そんな時、録画した番組を仕事部屋で仕事の合間に、スマホなどで”ささっ”と見る、
そういった使い方ができるようになるのです。
DLNAに対応していないテレビの場合、ネットワークを介してスマホやタブレット、ソフトウェアをインストールしたパソコンなどで録画番組を視聴することはできませんので注意してください。
ネットワーク対応のレコーダーを用意する
ネットワーク対応のHDD内臓のBDレコーダーなどがあり、それが
DTCP-IPに対応していれば、他のDTCP-IP対応機器とやり取りすることは可能です。
1階のリビングのテレビとこのレコーダーが接続されいて、録画されたテレビ番組がたまってきたら、
2回の仕事部屋で視聴することもできますね。
USB接続の録画機器を用意する
DLNAに対応したレコーダーは持っていないけど、DLNAに対応したテレビがある場合、
USB外付けHDDでも代用ができます。
HDDを内蔵したBDレコーダーよりは、安価に手に入れることができます。
テレビに「USB接続ハードディスク」を接続すると、テレビのコンテンツとしてネットワーク経由で参照することができるようになります。
BDレコーダーと同じように、別の部屋にいても、スマホやタブレットなどから視聴できるようになります。
ただし、そのためにはSeeQVaultに対応しているかどうかを確認する必要があります。
今までテレビに接続していたUSBハードディスクを取り外して、パソコンに接続してみたら”見ることができなかった”という経験はありませんか?
これは、著作権保護の観点から、録画した機器以外では、例え同一メーカーの機器でも再生できないようになっているためです。
そして、これを解消するための規格が「SeeQVault」ということになります。
外付けHDDやメモリーカードなどデータを記録できる機器が
「SeeQVault対応」
であれば、仮に接続先のテレビが変わっても同じように接続するだけで保存されたデータを見ることができるようになるわけです。
スマホで再生用アプリを起動する
DLNAに対応した「HDD内臓BDレコーダー」や、「テレビに接続したUSB外付けHDD」などは、メディアがたまっている場所であり、これらを
「DLNAサーバー」もしくは「DMS(デジタルメディアサーバー)」と呼びます。
上で説明してきたことは、DMSについての説明という事になります。
一方、DMSのデータを再生する機器を「DLNAクライアント」もしくは「DMP(デジタルメディアプレイヤー)」と言います。
これはテレビはもちろんのこと、スマホやタブレット、パソコンなどに相当します。
それでは、以下のネットワーク環境の中、スマホでHDD内臓BDレコーダーに録画した映像の一覧を表示してみます。
■ホームネットワーク環境
無線
■スマホ
・富士通 arrows F-01K
・DTCP-IP/DLNA対応アプリ DiXiM Player
■HDD内臓BDレコーダー
・Sharp BD-W1800
・DTCP-IP/DLNA対応
1.BDレコーダーの電源を入れる
※リモート電源On(Wake On Lan)の機能があれば、スマホから電源を入れることもできます
2.スマホでDiXiM Playerを起動する
「DiXiM Player」を起動します。
「arrows F-01K」などArrowsシリーズの場合、おおよそプリインストールされているアプリですが、
他のスマホの機種であれば、インストールされていない可能性が高いです。
本来、iOSで提供されているアプリは有償ですし、Androidでは通常に提供されていない貴重なアプリなので、
Dixim Playerが入っていない場合は、Playストアから何か別のDNLAクライアントアプリをインストールしてください。
※おそらく無料のアプリはないと思いますが・・
3.表示されたDMSから「Sharp BD-W1800」を選択する
現在、接続されているDMSの一覧が表示されます。
当方のテレビ(REGZA 50M510X、DTCP-IP対応)には、SeeQVault対応の外付けHDDが付いていますので、DMSの一覧に表示されます。
「Sharp BD-W1800」をクリックします。
4.録画番組の選択
「Sharp BD-W1800」に録画されている一覧が表示されます。
目的の番組をタップして開きます。
DTCP-IPで違う機器の録画データをスマホでも見ることができますが、
動画はキャプチャできませんし、保存もできません。
この辺の仕様は当然で、著作権保護されたデータを勝手に利用できないようにするためです。
VODサービスを利用したことのある人は、よくわかると思います。