「人生七十古来稀なり」
そう、昔は人生を70年も過ごすことができた人は、ごくごく稀だった。
70を迎えたおじいちゃんやおばあちゃんを「古希(こき)」でお祝いしてきた人も多いだろう。
ところがだ。
今の日本の世では、なんと100歳まで生きることが当たり前である、と考えられているらしい。
今年、首相官邸で幾度となく開催されてきた
「人生100年時代構想会議」
は、まさに長生き時代を生きる社会づくりを議論している場となっている。
”人生を100まで生きる”、つまり高齢者が増える一方で、子供の数が増えないといういわゆる
「少子高齢化」
の波も着々と進んでいる。
その問題が「2025年問題」である。
団塊の世代が75歳を迎える2025年は、日本人の5人に1人が75歳以上となる。
東京オリンピックを経て超高齢者社会に向かう日本は、これからの政策や保障などをじっくりと議論していく必要があるだろう。
中でも、定年の延長や年金受給を遅らせようとする動きなどは、保障制度に変化が表れ始めている兆しでもある。
日本の社会が”高齢化”、”人手不足”と声高に叫ばれるようになったのと同じくして、登場してきたワードが
「副業解禁」
である。
厚生労働省が「モデル就業規則」に策定して盛り上がったこの「副業」も、
裏を返せば、会社や政府が最後まで面倒を見る約束ができなくなったために「雇用者の自立」を促すものだった。
今、世間を騒がせているあの外国人会長の会社も実は副業を解禁しているくらいだ。
ただ、ネットの影響もあり、副業で成功する人も多く、生き方や働き方をガラリと変えた人も多いと思う。
2018年は、そんな生き方や働き方を改めて考え直す年となった。
消費税も上がり、保障も見直され、生きている間はずっと働け、と言わんばかりの日本を飛び出して、海外に出て好きなことを見つけて生きていくことを選んだ人もいる。
逆に、「外国人労働者の受入拡大」や「長期滞在推進」という方針を発表した日本に夢を見て、今年も海外から労働者や定住者も多くやってきた。
労働の人手不足を「高齢者」や「外国人」に頼るようになっていく日本では、
これまでのような働き方が見直されていくようにもなるだろう。
今現在、自分の働き方に思い悩んでいる人は多いかもしれない。
決められた時間に出勤し、言われた通りに仕事をこなし、時に残業、そして終業後に付き合いで一杯、という決められた枠で生きていくことは、それはそれで生きやすい。
むしろ、”副業OK。好きな事をやっていいよ”、と放り出される方が難しいと感じるのかもしれない。
手前味噌で恐縮だが、
実際に飛び出してから数年経ってみての感想は、やってみればそれなりになんとかなるもの、というあっさりとしたものだ。
どこかの組織に所属するのではなく、個人事業主となってもいいし、小さな会社から起ち上げてみてもいい。
好きな事・やりたい事があるなら、それをやりつつ別に収入源となる仕事を確保しておく。
そういった働き方を後押ししてくれる土壌が広がっている事も確かである。
今の時代、大都市に住まなければ、日本じゃなければ生きていけない・・ということは全くない。
まだまだ、生き方・働き方を見つめ直す余裕があるのなら、セカンドソートの時間は十分にあるはずだ。