高知県本山町。
と聞いて、場所がすぐに思いつく人は地元の人でもない限り中々難しいだろう。
高知県の県庁所在地である「高知市」の北側にある人口3,300人ほどの小さな田舎町である。
ブランド米である「土佐天空の郷」を始めとする農業が特産で、水や山などの自然が豊かな場所だ。
町の中心を吉野川が流れ、高知市の中心街からも車で1時間ほどで行ける距離にある。
最初にお断りしておこう。
実はわたくし自身この本山町に行ったことがない。
さも訪れた経験があるような書き出しだったが、正確な場所を知ったのもここ2,3日の間である。
そもそも、高知県にすら足を踏み入れていないわたくしが、なぜこの本山町のお話を始めたかと言うと・・
実は、2020年5月3日の町長選挙に関係している。
この選挙の立候補の1人である「加藤和」さんのメルマガ「都会育ちの田舎暮らし」を読んでいたからなのだ。
現在はタイトルが「和噺」となっているこのメルマガは、東京で育った加藤さんが高知県本山町での田舎暮らしの何気ない話題を最近の時事を交えながら語っている。
現在「埼玉育ちの北海道暮らし」であるわたくしが地方暮らしを始めたきっかけの1つともなったメルマガだ。
ちなみに当サイトで以前に、「土地を有効に探す」記事を書いていたが、その参考文献は「和噺」である。
「都会育ちの~」を発行されている時に、さらに山奥に引っ越されてインターネット環境の整わなかった状態から9年が経ち、改めて現在の「和噺」でメルマガ配信がスタートして10か月、ここのところメルマガの配信がストップしていたのだが、その理由が正に「町長選挙へ立候補」で忙しくなっていたためだった。
そんな40代の彼が町長になった暁に、実施したい項目が以下のオフィシャルサイトに書かれている。
まず、思うのが
「人口の規模などが小さくても現状の設備や環境を上手く使えば仕事は無限に作り出せる」
というものだ。
地方に移住しようと考える人が二の足を踏む原因として挙げられる
「仕事がない」
という理由は、オフィシャルサイトの13個のアイデアを見るだけでも見当違いの心配であると分かる。
確かに、ある会社に勤めて毎日通勤電車に揺られて、というのはないかもしれない。
しかし、これらのアイデアを見るだけでも、移住者が自分の得意分野を仕事にして町に住む理由を見つけられるわけだし、
同じように町をよりよくするアイデアを持ち発信すれば、それが町での自分の仕事として今後に結びつくきっかけになる可能性だってあるのだ。
”本山町のこれから”を見据える彼の目に映っているものは、まず既存のハードに少しのテコ入れをするところから始まっているようだ。
しかし、そのテコ入れは、他の過疎と言われる人口減少が進む町や村が中々対策しきれない「新しい環境適応への始まり」でもある。
最早地域に馴染んでいる加藤さんであるから問題はないと思うが、
中には色眼鏡で見る人もいるかもしれない。
「どうせ東京もんだから田舎をバカにして色々言うとる」
「そういう上から目線が町に変革を起こしてやろう…と背中を押しているのではないか」、と。
しかし、一人の町民として加藤さんが抱く本山町の未来への思いは、オフィシャルサイトを見ても、普段のメルマガを読んでいてもよくわかる。
例え当選できなかったとしても、サイトに記した本山町への思いが、日本中の人口減少に苦しむ市町村が復活するヒントになってくれると願ってやまない。