大手キャリアから格安スマホに移行するメリットは、何と言っても
「月額料金の安さ」
にあります。
そんな格安スマホを使うために必要な「格安SIM」を提供しているMVNOの1つに、
コミュニケーションツールのLINEでおなじみの「LINEモバイル」があります。
「LINEモバイル」は、自社サービスのLINEを含めた特定のSNS通信に対して、
”通信量が発生しない”
という他にはあまり類を見ない料金プランを提供しているのです。
もちろん、スマホにかかる月額費用も大幅に抑えられるでしょう。
とは言え、長年使ってきた大手キャリアと比べてどれくらい安くなるのか・・・。
格安SIMに切り替えても今までのようにきちんと使えるのか・・・。
ちょっぴり不安でもありますよね。
そこで、今回は「LINEモバイル」へ切り替えようと決心した長年のドコモユーザーが、移行するにあたってのドコモ側での手続きや、LINEモバイルへの申込み手順、アプリのインストールや電話帳の移行など、移行に伴う手順の数々を見ていきたいと思います。
auやソフトバンクのユーザーは契約内容等若干の違いがあるかもしれませんので、読み替えて進めてみてください。
なお、「LINEモバイル」のプラン詳細は、以下の記事を参考にしてください。
目次
MNP予約番号を取得する
大手キャリアから格安スマホに移行するにあたって、まず考える点としては
「電話を使うか使わないか」
が挙げられるでしょう。
現在使っている電話とは別に、「データ通信専用」として2台目のスマホを持つなら電話機能はなくてもいいかもしれません。
しかし、メインのスマホを格安スマホに入れ替えるなら電話機能はあった方がいいと思います。
そして、その際に必要となるのが「MNP(ナンバーポータビリティー)」になります。
「MNP」とは、現在使っている電話番号を新しいスマホでも使えるようにする手続きを言います。
手続方法は、パソコンのドコモのホームページ、もしくは電話やドコモショップなどで対応してもらえます。
「MNP」で手続きを進めていくと、以下のような注意事項を確認する必要があります。
月々のサポート残額
ドコモの場合、機種を購入した際に、購入した翌月を1ヶ月目として24ヶ月間の
「月々サポート」
という割引サービスがあります。
ドコモとの契約を解除する場合、この「月々サポート」が残っていても適用されません。
「月々サポート」とは、機種代金の分割支払い金額と同じ金額を割り引くサービスですが、
「月々サポート」が適用されない分、残りの機種代金は一括でドコモに支払う流れになります。
機種代金を分割で購入していて、支払い月数が多く残っていると
ドコモとの契約を解除した後に、一括で支払う金額が重くのしかかってくる可能性があります。
dポイント
ドコモと契約していても、dアカウントを発行している人と発行していない人がいるかもしれません。
dアカウントを発行していないと、ドコモとの契約を解除した時点でこれまで貯めていた「dポイントが無効」になります。
ドコモとの契約を解除する前に、dアカウントを発行してポイントを残すようにしたほうがよいでしょう。
手数料
「MNP」の場合、手数料が発生します。
発行された「MNP予約番号」で、「LINEモバイル」との契約が正式に決まった場合、
ドコモに対して「MNP転出事務手数料」が発生します。
「MNP予約番号」を発行しても、期限までに「LINEモバイル」など新しい通信会社との契約が決まらなければ「MNP転出事務手数料」は発生しません。
受付確認メールの送信先
普段からグーグルの「Gメール」やマイクロソフトの「Outlook.com」を使っている人は問題ないのですが、ドコモなどの「キャリアメール」をメインで使っている場合、今後キャリアメールは当然ながら使えなくなります。
「MNP予約番号」の手続きを進めていき、受付内容をメールでもらいたい時は、
この時点で「Gメール」などのフリーメールを設定しておきたいところです。
フリーメールを持っていない方は、できれば「MNP予約番号」を取得する前にメールアドレスを作成しておいた方がいいかもしれません。
今回は、ドコモのホームページからMNP予約番号を取得しました。
最終的に「受付番号」と「MNP予約番号」、「有効期限」が表示されます。
有効期限内に新しい通信会社、つまり今回は「LINEモバイル」へ「MNP予約番号」を伝える必要があります。
端末を新しく購入する?今までの端末を使い続ける?
ドコモの「MNP予約番号」が取得できたら、今度は移行先のLINEモバイルに申し込みをします。
現在の端末(Android)をそのまま使うのか、新しく購入するのかによって多少流れが変わってきます。
端末をそのまま使う場合(SIMロック解除)
これまで使ってきた端末をそのまま使う場合は、「SIMロック解除」を行う必要があるかもしれません。
というのも、ドコモで購入・契約した端末はドコモのSIMカードしか使えない「SIMロック」がかけられていて、他の通信会社のSIMカードに差し替えて使用できないからです。
つまり、新しい「LINEモバイル」で契約するSIMカードを使えるようにするために行うのが、
「SIMロック解除」
となるのです。
ドコモのホームページから「SIMロック解除」の手続きを行うと、「解除コード」と「端末の製造番号」がメールで送られてきます。
端末の製造番号はAndroidの「設定」内に、「IMEI情報」があるのでここでも確認できます。
お使いの端末の取扱説明書に「SIMロック解除」の方法が載っていますので、それを参考に「解除コード」を入力してロックを解除します。
取扱説明書が見当たらない場合は、ドコモのページ内でお使いの端末モデル名で検索しても参照できますので試してみてください。
端末をそのまま使う場合(SIMロック解除をしない)
端末をそのまま使う際に、これまで見てきた「SIMロック解除」を行わなくてもよい場合があります。
「LINEモバイル」であれば、新しく回線を契約する際、「ドコモ回線」、「au回線」、「ソフトバンク回線」の大手キャリア3種類の回線から選択となります。
元々のドコモユーザーが「ドコモ回線」を選択した場合は、これまで使用してきた端末の「SIMロック解除」を行わなくても、「LINEモバイル」のSIMカードを挿せば、そのまま端末を使えます。
これまで使ってきた端末をそのまま使うなら、「LINEモバイル」の申込みへ進む前に
SIMカードのサイズを確認
しておいたほうがいいでしょう。
実際に目で見て確認するなら、端末の電源を一度切ってSIMカードをカードスロットから取り出してください。
「LINEモバイル」のページにある「動作確認済み端末検索」で検索すると、SIMカードのサイズを確認できます。
端末を新しく購入する場合
「LINEモバイル」でも端末は販売していますし、ネット通販などで購入してもよいでしょう。
販売されている端末は、ほぼ「SIMフリースマホ」となっているので、好きなメーカーや色、スペックなどをよく吟味して「SIMフリースマホ」を購入しましょう。
LINEモバイルに申し込み
ようやく「LINEモバイル」への申込みまで進んできました。
後々、本人確認書類が必要になります。
運転免許証や保険証などを予め用意しておきましょう。
- 通常申込み(キャンペーンコードを入力)
- 回線の選択(今回はドコモを選択)
- 通信量/月を選択(今回は1GBを選択)
- SIMのサービスタイプを選択(今回は音声通話SIMを選択)
- 通話サービスを選択(今回は「いつでも電話」のみ)
- 申し込み区分を選択(今回はMNP転入で予約番号を入力)
- 申し込み内容を選択(今回はSIMカードのみ)
- SIMカードのサイズを選択(今回はナノSIM)
- オプション選択(今回はどのオプションも追加しない)
と、ここまでLINEモバイルで契約したい内容を選択してきました。
次に、自分の情報を入力していきます。
自分の情報で入力したメールアドレス宛に、本人確認書類のアップロードURLが送られてきます。
スマホで事前に撮影しておいた運転免許証などをアップロードURLから送信します。
次に、支払い方法を選択します。
クレジットカードや銀行口座の引き落としなどを選択できます。
そして、最後にマイページにログインするための「ログインID」と「パスワード」を設定して申込みが完了となります。
契約成立まで約1日
申込みが完了してから順調だと半日から1日ほどで契約が成立となります。
申込時に登録したメールアドレス宛に「契約成立のお知らせ」というタイトルのメールが送られてきます。
このメールが送られてくると、正式に契約となり申込みのキャンセルができなくなります。
SIMカード到着とAPN設定
今回は、これまで使ってきた端末をそのまま使いますので、
「新しい端末へのアカウントの引き継ぎ」
が必要となるアプリでの引き継ぎ処理は発生しません。
もし、端末も新しく入れ替える場合は、SIMカードと端末がお手元に到着した段階で、
アカウントの引き継ぎが必要となるアプリの引き継ぎ処理を行う必要があります。
「アカウントの引き継ぎ」は、LINEや電子マネーアプリなどが該当します。
これまで使ってきた端末でインストールされているアプリを確認してみて、各アプリのヘルプなどを参照しながら行ってください。
SIMカードが自分の手元に到着したら、「利用開始手続き」を行います。
マイページの「契約情報確認ページ」内の「MNP開通申し込み」から進めていきましょう。
SIMカードの到着後に、自分で「MNP開通申し込み」をしなくても、SIMカードが到着してから2日ぐらい経つと自動的に切り替えが行われます。
SIMカードが到着したらすぐに切り替えたい方は、自分で「MNP開通申し込み」を行うと、その分「LINEモバイル」を早く使えるようになります。
ドコモ通信の間に何かしておかなければならない、という作業があれば自動で回線が切り替わる2日間ぐらいのタイミングで済ませておく必要があります。
今回のように、「LINEモバイル」からSIMカードだけを購入した場合、
「APNの設定」
を行う必要があります。
「LINEモバイル」を契約し、Android端末でAPN設定を行う場合は、以下のLINEモバイルのページを参考に設定します。
その他の設定
ドコモメールのバックアップと復元
今回のようにドコモを使用していた場合、「ドコモメール」のメールデータ(受信メール・送信メール)はSDカードにもバックアップできます。
「LINEモバイル」に回線が切り替わった瞬間から、ドコモメールは利用ができなくなり、
ドコモクラウドを使ったバックアップなども利用できなくなります。
つまり、ドコモの機能でSDカードにバックアップしておかないとこれらのメールの復元は二度とできなくなります。
「LINEモバイル」のSIMカードが到着してからでもバックアップはできます。
以下の記事で、ドコモメールのバックアップ、さらには復元したメールをGMailで見る方法をご紹介しています。
今回のようにドコモなどの大手キャリアから格安スマホへと移行した場合に、
キャリアメールをどのように取り扱ったらよいかを参考にしてみてください。
電話アプリと電話帳の移行
「LINEモバイル」では、電話アプリ「いつでも電話」を使うと「10円/30秒」で通話できます。
また、オプションで「10分かけ放題」(税抜880円/月)を契約すると、毎回10分以内の国内通話が無料になります。
これまでドコモで使ってきた電話や電話帳を「LINEモバイル」仕様に変更するには、以下の記事を参考にしてください。
電話帳は、ドコモクラウドに保存していた場合は、Googleの連絡先へと保存先を変更していきます。
LINE契約者連携とLINE利用者連携
最後に、LINE契約者連携とLINE利用者連携を設定して完了となります。
キャンペーンなどでLINEモバイルと契約した場合には、これらの連携を行う必要があります。
特に、契約者連携をしておくと、「LINEモバイル」の利用状況などをLINEのメッセージで簡単に確認できます。
総括
さて、いかがでしたでしょうか。
格安スマホへ移行する場合、これまでと同じ電話番号を使う
「MNP(ナンバーポータビリティー)」
での移行となると思います。
大きな流れとしては、
大手キャリアへ解約(MNP予約番号を取得)
MVNOへ申し込み
データバックアップ
となります。
端末を新しく購入するかどうかで、途中のデータ移行やバックアップの工程は増えるかもしれませんが、同じ端末を使い続ける場合は、それほど大変な思いをしなくて済むかと思います。
格安スマホへと切り替える際にまず何よりも注意したい点は、移行のタイミングです。
大手キャリアとの2年間の契約期間満了前後のタイミングで解約しないと解約手数料が発生する可能性があります。
このタイミングは、大手キャリアからも一報が入るはずなので、まずは格安スマホへの移行の取っかかりのタイミングを間違えないようにしたいですね。
※今回は、ドコモでの流れを見てきましたが、データのバックアップやクラウドサービスなどはauやソフトバンクでは違ったサービスや名称、もしくはドコモにしかないサービスなどの場合もありますので、ご了承ください。