ドコモから格安SIMへ移行すると、ドコモメールが使えなくなってしまいます。
これまで送受信してきたメールの数々をそのまま見捨ててしまうのはもったいないですよね。
ドコモを解約してしまうと、「ドコモクラウド」も使えなくなってしまうため、バックアップ先としてはスマホの内蔵メモリーか、スマホに挿入したSDカード、OneDriveやGoogleドライブのようなクラウドストレージが挙げられます。
なお、ドコモでクラウドのメールをローカルにコピーする方法は、以下のリンクを参照してみてください。
さらに、回線が完全に格安SIMへと切り替わってしまうと、ドコモで提供されているサービスも使えなくなってしまうので、メールのバックアップも回線が切り替わる前に終えたいところです。
この記事ではドコモメールをスマホに挿入しているSDカードにバックアップし、
それをGMail上に復元するまでの流れを見ていきたいと思います。
ドコモデータコピーでメールをバックアップ
ドコモを使っていると、「データコピー」というアプリがインストールされています。
※もし、「データコピー」がインストールされていない場合は、「JSバックアップ」などをインストールしてバックアップしてください。
「データコピー」をタップします。
メニューが表示されますので、「バックアップ&復元」をタップします。
「バックアップ」をタップします。
バックアップできるデータの一覧が表示されます。
「ドコモメール」から「受信メール」、「送信メール」にチェックを入れ、「バックアップ開始」をクリックします。
自分がよく使っているファイルエクスプローラーを開いてください。
SDカード内を参照すると、「com.nttdocomo.android.sdcardbackup」というフォルダがあります。
その中の「MANUAL -> MAIL」とフォルダを開いていくと、バックアップした日付のフォルダが作成されています。
上の画像では、「受信メール」と「送信メール」をバックアップしたので、それぞれ
「inbox」と「sentbox」というフォルダにバックアップされています。
「inbox」の中を確認してみると、きちんとバックアップされているのが確認できます。
拡張子が「vmg」のファイルを「eml」形式に変換する
受信メールや送信メールのバックアップは、「vmg」という拡張子のファイルでバックアップされます。
スマホ内のSDカードにバックアップされたこれらのファイルを
■ネットワークによりファイルコピーする
■SDカードをカードリーダーに読ませる
■パソコンとスマホをUSBケーブルで接続する
などで、パソコンに取り込みましょう。
後々、この「vmg」ファイルをGMailへ取り込むために、パソコン上で一旦「eml」という拡張子のファイルに変換します。
Vectorのサイトから「VMGtoEML2」をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、「インストーラーファイル」と「ReadMeファイル」の2つがあります。
インストーラファイルを実行してパソコンにインストールします。
「VMGtoEML2」を起動すると、上のようにウィンドウが開きます。
「VMGファイル」の入ったフォルダを参照して選択すると「入力ファイル」にそのフォルダパスが入ります。
同じ様に出力先のフォルダを選択し、「出力ファイル」にそのフォルダパスが入ればOKです。
「出力形式」が「eml形式」になっていれば「実行」ボタンをクリックしましょう。
完了すると、上のようにメッセージが表示されます。
拡張子が「eml」のファイルをGMailに取り込む
「eml」ファイルを作成したら、次はGMailに取り込んでみます。
マイクロソフトの「TechNet」で公開されている
「EMLからGMailへの変換」というソフトウェアをダウンロードします。
「EMLからGMailへの変換」のダウンロードページ(TechNet)
ダウンロードした「EMLからGMailへの変換.exe」を実行すると、
「Advik EML to Gmail Import」
というソフトウェアがインストールされます。
それでは、このソフトウェアを起動してみます。
「EMLファイル」を直接指定するか、「EMLファイルが入ったフォルダ」を指定するかで「EMLファイル」を選択します。
今回は、バックアップしたドコモの受信ファイルを大量にEMLファイルに変換したので、
それらを保存しているフォルダを選択します。
「Add Folder having EML Files」ボタンをクリックします。(①)
フォルダの参照から目的のフォルダを選択します。(②)
「OKボタン」をクリックします。(③)
「File Name」に、目的のフォルダパスが入ったら、
エクスポート先のGMailアカウントとパスワードを入力します。(①)
入力ができたら「CONVERTボタン」をクリックします。(②)
ただ、環境によっては、以下のようなエラーメッセージが表示される場合があります。
これは、Google側にログインを拒否されてしまったという旨のエラーになります。
そのため、アプリからGMailにログインできるように、Googleアカウントの設定を変更する必要があります。
GMailに「重大なセキュリティ通知」というメールが届いていると思いますので、そのメール内の「アクティビティを確認」というリンクをクリックします。
「重大なセキュリティ通知」が表示されます。
「Add Folder having EML Files」がGoogleアカウントを使ってログインしようとしたために、
このような通知が表示されたので、ここでは
「はい、心当たりがあります」
をクリックします。
安全性の低いアプリをブロックしました
と表示されます。
一旦、ここではアプリからのアクセスを許可したいので、Googleアカウントページを開きます。
左サイドの「セキュリティ」をクリックし、「安全性の低いアプリのアクセス」から
「アクセスを有効にする」
をクリックします。
上の画面のように「安全性の低いアプリの許可:有効」がオンになっている状態に設定します。
先程のエラーメッセージが表示されたウィンドウの「OK」ボタンをクリックして、もう一度
「CONVERT」ボタンをクリックしてみましょう。
GMailへの転送が完了すると上のようにメッセージが表示されます。
「Add Folder having EML Files」は、手軽にemlファイルをGMailへと取り込めるのですが、フリー版は1度に10通までしか取り込むことができません。
1度の変換を10通に区切れば、何度でも取り込む作業はできるのですが、当然手間がかかるでしょう。
有料版を購入すれば、取り込むメール数に制限はなくなります。
ただ、キャリアメールをバックアップするための
「emlファイルをGMailへ取り込む作業」自体はそれほど頻繁に発生するものではないでしょうから、
フリー版で気長に変換していく方も多いようです。
総括
大手キャリアから格安スマホに乗り換える際に、この大手キャリアで使用していたメールの移行は結構悩みどころです。
移行先の選択としては、当然GMailやOutlook.jpのようなクラウドのメールサービスになるでしょう。
ただ、今回のように多少段階を踏まないと完全に移行できず、
作業としては結構手間がかかるのです。
ドコモクラウドにメールデータがあるから安心なのではないかと思う方もいるかもしれませんが、
それは、機種変更の場合に安心なだけであって、
いざ格安SIMへ乗り換えるためにドコモを解約してしまうと、これらのクラウドデータは消滅してしまいます。
通信会社が提供するクラウドサービスだと、その通信会社との契約が切れる時に使えなくなってしまうので、
やはりクラウドサービスはどの通信会社であっても共通で使えるサービスを利用しておいた方がいいですね。
ドコモのメールバックアップは、ローカルのメールデータより
むしろ、クラウドメールのバックアップの方が忘れがちです。
クラウド上にあるから大丈夫と思ってしまうからですね。
回線を切り替えると、ドコモクラウドに接続できなくなるので
メールを始めとするクラウドデータのバックアップには十分に気をつけたいところです。