Excel2016(以下、エクセル)は、ワークシート内に「インク」という機能を使って手書き風のデータを作成することができます。
「インク機能」を使うために、環境によっては最初にエクセルの設定を変更しておく必要があるかもしれません。
「インク」を活用すれば、キーボードから入力されたデータとは違い、データへのアプローチに彩りを加えることができるのです。
エクセルのオプションを確認する
まずは、インク機能を使うためのエクセルの設定を確認します。
新規にエクセルファイルを作成したら、「ファイル」タブを開き、「オプション」をクリックします。
「Excelのオプション」ウィンドウが表示されます。
「リボンのユーザー設定」を開き、右側の「メインタブ」の一覧を確認します。
もし、「描画」にチェックマークが入っていない場合はチェックをつけます。
「描画」にチェックマークを付けて、展開してみると上の図のようになります。
これで、「インク」を使うことができるようになります。
描画タブを確認してみる
「OK」ボタンをクリックして、「Excelのオプション」ウィンドウを閉じ、エクセルの画面に戻ると、リボンに「描画」タブが表示されているのが分かります。
各機能は以下の通りとなります。
①シート内に手書きの文字を書くことができます。
②クリックすると手書きの文字を消すことができます。
③ペンや蛍光ペンの各色を新たに追加することができます。
④シート内に書いた手書き文字や図で、図形に変更できるものを自動で変更することができます。
⑤シート内に記入した手書き文字を書いた順番通りに再生することができます。
とりあえず描いてみる
「ペン」ツールで「黒いペン」を選択して、キーボードから入力済みだった表を手書きで囲ってみました。
なお、ペンツールでの入力状態からキーボードでの入力状態に戻すには、以下のような方法があります。
- エクセル以外のアプリ(ソフトウェア)を一度アクティブにし、再度エクセルに戻ってくる
- ワークブック内に、当該シートとは別のシートがある場合そのシートを一旦アクティブにした後、再度当該シートをアクティブにする
- キーボードから「Escキー」を押す
マウスポインタがいつもの「白い十字」になっていない場合は、「描画モード」となっています。
その場合は、上のようなやり方で、描画モードを終了するようにします。
ペンの種類や色を作成してみる
ペンの色や種類は、後から自分で作成することができます。
最初から用意されているペンも自分好みに変更することができます。
元々用意されていた「黒いペン」をクリックします。
「ペンの太さ」や「色」を変更することができます。
また、必要なくなった場合は「削除」することもできます。
新たに追加する場合は、「鉛筆」、「ペン」、「蛍光ペン」から作成することができます。
同じように、太さや色も設定することができます。
描いた文字や図形を再生する
「インクの再生」をクリックすると、これまで描いた順番通りにインクの文字や図形が再生されていきます。
「早送り」や「巻き戻し」もできますので、エクセルファイルの資料を元にした社内会議などでは、直接ワークシートに書き込んだ手書き文字や図形を順番に確認したり、プロセスをもう一度確認したり、といった使い方もできるでしょう。
総括
この「インク」は、もちろん「Word」や「PowerPoint」など、他のOfficeアプリケーションでも同じように使うことができます。
見づらくなりがちな手書き文字も、「再生機能」を使う事で、動線が明らかとなり、説明のプロセスが読み手にも分かりやすくなると思います。
今回は、エクセルで説明しましたが、おそらく「PowerPoint」の方がこの機能を使うには適しているかもしれませんね。
タブレット端末など文字入力に適していないデバイスでOffice製品を利用する場合、意外とこの手書き入力は重宝するかもしれません。