前回、前々回と「ConoHa VPS」でCentOSサーバーを1つ作成し、クラウドストレージサービスである「ownCloud」を使うための設定を施してきました。
さて、今回は構築した「ownCloud」を実際に使ってみるべく、パソコンのブラウザやスマホ、タブレットなどの各デバイスからアクセスしてみたいと思います。
初期設定
まずは、初期設定を行います。
パソコンのブラウザでowncloudにアクセスしてみます。
https://取得したドメイン/owncloud
当サイトの環境では、「https://officeonemanage.xyz/owncloud」になります。
owncloudの管理画面にアクセスするユーザー名とパスワードを指定します。①
次に、サーバー内の「データフォルダ」を指定します。
デフォルトは、「/var/www/html/owncloud/data」となり、このフォルダに次に指定するデータベースサーバーファイルが作成されます。
変更したい方は任意の場所に変更します。②
続いて、データを管理するデータベースサーバーを選択します。
動作が軽い「SQLite」も選択できますが、ここは「MySQL/MariaDB」を選択します。③
SSHでサーバーにログインした時に、コンソール画面の先頭に、最初にownCloudを構築した時点で自動的に作成されるMySQLデータベースサーバーの各情報が記載されています。
「ユーザー名」、「パスワード」、「データーベース名」に、それぞれコンソールに表示されている情報を転記します。最後のサーバーは「localhost」のままで大丈夫です。④
「初期設定を完了」をクリックすると、ownCloudへのログイン画面が表示されます。
先程作成した①で作成した管理者ユーザーとパスワードを入力してログインします。
ownCloudのバージョンアップ
現在、インストールされているownCloudのバージョンが古い場合は、アップデーターを開くようにメッセージが表示されます。
右上のユーザーアカウントをクリックすると、設定画面が開きます。
「一般」をクリックすると、右サイドの中央に「アップデート」があるので、「アップデータを開く」をクリックします。
「Start」を押すと、アップデートのインストールが始まります。
アプリの追加
ownCloud上で使用するアプリを追加できます。
画面左上をクリックすると、「Market」が表示されるのでこれをクリックします。
インストールできるプラグインの一覧が表示されます。
各プラグインをクリックすると、右下に「Install」ボタンがあるのでこれをクリックします。
ファイルの共有・お気に入り・タグ
保存しているファイルやフォルダはユーザー単位で共有できます。
プライベート・パブリック共にリンクも作成できるので、メールやチャットなどでも簡単に共有できます。
ファイルやフォルダには、それぞれお気に入りマークやタグ付けなどができるので、フォルダ以外の階層管理も可能となっています。
Androidスマホにアプリをインストール
ownCloudには、パソコンで使うデスクトップアプリやAndroidスマホ用アプリ、iOS用アプリなど各デバイス用のアプリが用意されています。
上の画面は、AndroidスマホにインストールしたownCloudアプリとなります。
同じようにファイルやフォルダは表示されますが、スマホアプリではお気に入りやタグの設定ができないようになっています。
さらに、お気に入りやタグなどでの検索もできないようになっています。
総括
SSL通信を行う設定としたownCloudをようやくパソコンのブラウザで実際に開いてみました。
自分だけのクラウドストレージ空間ですので、アクセスする人は自分がアカウントを配布した内部の人に限られますし、ownCloudを設定したサーバー内のカスタマイズも自由にできます。
ただ、外付けHDDのように使える「Webdavフォルダ」や「Googleドライブ」への接続が、Webdavはファイルしか表示されなかったり、GoogleドライブはGSuiteが必要だったりと使い勝手は悪くなっています。
また、スマホアプリだとお気に入りやタグでの検索ができないといった不便さもありますね。
実務には少し不向きですが、実際にVPSを契約してこういったクラウドストレージなどのシステムを構築するところまで簡単にカスタマイズできるのがお分かりいただけたかと思います。
WordPressサーバーとして活用もできますし、メールサーバーを構築するという使い方もできます。
VPSを使ってみよう、と思った方は様々な用途で利用できますので、是非自分の欲しい機能を色々と構築してみてください。