前回まで、契約したVPSに「ownCloud」を構築して、常時SSL化やcronの設定、実際にブラウザでアクセスしてownCloudの使用感を確認したりと操作してきました。
さて、今回はVPSではなく、往年の共用サーバーにて「ownCloud」を簡単に構築できるサービスを用意しているところもありますので、それを使って構築するとどんな感じになるのかについて少し触れておきたいと思います。
ロリポップレンタルサーバーで簡単にインストール
GMOのレンタルサーバーを比較した後に、「自分のブログ」でぼそっと書いたのですが、昔はレンタルサーバーと言えばロリポップの人気が結構高かったと思います。
金額が安くて、性能もそこそこ良くて、「ムームードメイン」で新規ドメインの取得と一緒に契約すると、金額的にお得なサービスがあったりと色々ありました。
”でも、最近はちょっと他のサービスに置いて行かれた感があるよね~”
と7月下旬くらいにブログ記事に書いたら、その2週間後くらいに、ロリポップの全プランでサーバーのスペックが向上してしまいました。
もちろん、自分の書いた記事がきっかけになったのではなく、当初からサーバースペックの向上の計画はあったのでしょうけれど、あまりのタイミングの良さに少しびっくりしてしまいました。
ようやく全プランで記憶装置がHDDからSSDに変更となり、使えるSSDの容量が増えました。
それに加えて、サーバー機自体のスペックも上がったために、サイトへのアクセススピードが理論上で向上したようです。
そんなロリポップでは、このスペックアップ前の2020年6月中旬に、一番安いプランの「エコノミー」以外の全プランで「ownCloud」をすぐに使えるようにサービス提供を開始していました。
コロナ禍で、クラウドストレージの有効利用も見込まれて開始したものと見られ、契約しているプランのSSDの容量をフルに使いきっていない人は、余っている容量を「ownCloud」分として利用できるようになっています。
サイト作成のデータやメールデータの容量が増えれば、その分自動的に差額の余っている容量を「ownCloud」に割り当ててくれるとあって、持て余していたSSDの容量を「自前のクラウドストレージ」として使えるようになったわけです。
ドメインを指定する
「ownCloud」を設定する際には、以下のように独自ドメインが必要となります。
ただ、ロリポップであれば契約時に「lolipop.jp」のサブドメインを1つ割り当てられます。
このサブドメインを使っても、「ownCloud」を設定できます。
しかし、このクラウドストレージを自分だけでなく、他の人にも使ってもらいたい場合には、自分で普段使っているドメインを割り当てた方がいいでしょう。
ロリポップのプランによっては、利用できるデータベースが複数ある場合もあります。
その場合は、使いたいデータベースサーバーを一覧から選択します。
さらに、ユーザー名やパスワードを指定します。
前回VPSで設定した時もありましたが、「ownCloud」にログインする際の管理者ユーザーになります。
これだけで、「ownCloud」がすぐに使えるようになります。
SSLを設定する
ドメインがSSL化されていなければ、その設定もロリポップ内で行いましょう。
「独自SSL証明書導入」で、無料の「Let’s Encrypt」を設定できます。
反映されたら、「ownCloud」に「https」で接続できるようになります。
ブラウザでownCloudに接続する
ロリポップの「簡単インストール」を使うと、正にボタン1つで構築完了となります。
設定したURLに「https」でアクセスすると、最初のログイン画面が表示されます。
先程設定したユーザー名とパスワードを入力すれば、「ownCloud」を使えるようになります。
ownCloud用にURLを設定した時は、画面に「http://~」と表示されていましたが、その後に常時SSL化すれば「https://~」で常に接続できるようになります。
ファイルの一覧が表示されています。
総括
さて、今回は共用サーバーのロリポップで「ownCloud」を構築する方法を見てみました。
「Conoha VPS」で「ownCloud」を構築したので、それとの比較用に共用サーバーでownCloudを設定したわけです。
ロリポップの簡単インストール、そして前回のVPSでの構築の両方において現状の「ownCloud」での問題点を2つばかり挙げておきます。
- Shift-JISで保存されたテキストファイルをアップロードすると文字化けする
- 容量が「~kb」ぐらいでも少しサイズが大きいとAndroidスマホアプリで開けない
VPSで自分で構築してもロリポップの簡単インストールを使っても、アップロードしたテキストファイルは保存している文字コードによっては、文字化けしてしまいます。
そのため、テキストファイルは「UTF-8」で一度保存し直して、アップロードする必要があります。
また、これはAndroidスマホだけですが、文書にしろ画像にしろファイル容量が大きいとうまく開けなかったりします。
同じファイルでも、Androidタブレットだと開けたりするので、スマホでの容量の大きいサイズの取り扱いに何か不具合があるのかもしれません。
PHP側の設定かと思ったのですが、それだけではないようで、「ownCloud」をファイルストレージとして使う上では少し使いづらいところですね。
自分でファイルストレージを構築しなくてもいいのであれば、共用サーバーでファイルストレージをサービスとして提供している「DropBox」の方が安定して使えるかもしれません。
ストレージ容量は十分なのですが、「DropBox」だけの利用で考えると月額の利用料金が少し高くつくのが気になりますけどね。