前回は、ノースグリーン株式会社の営業担当者が自社の売上目標の改善などに「Copilotノートブック」を新規作成し、社内資料を参照させてCopilotとやり取りしながら売上改善を行っていくための準備段階まで進んできました。
今回は実際にプロンプトを投げかけながら、営業担当者が仕事を進めていく様子をご覧いただきたいと思います。
ただその前に、少しCopilotとのチャット練習も兼ねて、いくつか質問を投げかけてみましょう。
現在の売上状況をCopilotにまとめてもらう
では前回作成した「Copilotノートブック」を開きます。
今回参照してもらう資料には、これまでの実績データもあれば、今後の予測データもあります。
これらのデータを元にしているため、現状では作成途中となっている書類データもあります。
まずはCopilotに「現状」を聞いてみたいと思います。
チャットのプロンプト入力エリアに、上の画面のように入力しました。
参照資料をもとに、現在の売上状況を300字程度で整理してください。特に年間目標に対する進捗、好調な商品、注意すべき点を教えてください。
期待したいのは、「複数資料を横断した回答」です。
今回は3つのエクセルブックに売上に関するデータを集めていて、商品ごとやチャネルごと、季節別などの売上データがそれぞれの各シートに入っていますから、まずはそれらの要点をまとめてもらいましょう。
結果として以下のような分析を返してくれました。
Copilotの回答
現在の売上状況を整理すると、年間売上目標は4,649.2万円に設定されていますが、上期実績(1~6月)が1,964.6万円、下期予測が2,423.4万円となっており、年間売上予測は4,388.0万円です。達成率は94.4%で、目標に対して約261.2万円不足する見込みです。
上期は1月の達成率77.5%から6月には96.9%まで改善しており、月を追うごとに目標に近づく傾向が確認できます。
好調な商品は照明カテゴリーで、特に主力商品のソーラーランタン S、ソーラーランタン L、ソーラースポットライト 2個が売上・販売数量ともに高く、下期も重点商品として位置付けられています。照明カテゴリーは年間売上目標の中でも最大の構成比を占めており、夏の夜庭需要との相性が良いと分析されています。
注意すべき点は、現状の予測では年間目標未達となる可能性が高いことです。特に追加で約261万円の売上確保が必要であり、資料では7~8月の販促強化による需要創出が課題として挙げられています。そのため、重点商品の販売促進や「夏の夜庭キャンペーン」などの施策を確実に実行し、目標との差額を埋めることが重要です。
参照資料: 02_2026年度販売計画 1.xlsx、03_売上実績・売上予測 1.xlsx、01_商品・販売先マスター 1.xlsx、05_売上アップ社内会議資料 1.pptx
アップロードした5つから4つのファイルを精査して、現状の売上状況を分かりやすくまとめてくれましたね。
年間目標の未達原因から今後の販促案をCopilotに頼む
現状の予測でも分析された通り、今年の年間目標が未達となる可能性が高そうです。
そこで、次のような質問をしてみました。
売上予測を見ると年間目標に届かない可能性があります。原因として考えられることを、販売計画と売上実績の両方から分析してください。
売上予測が目標に届かない原因を分析してもらいます。
Copilotの回答
1. 上期の未達が大きく影響
(中略)結果として上期累計で目標を約280万円下回る状況となり、この遅れが年間予測に影響しています。
2. 下期予測は改善するものの不足を埋め切れない
(中略)下期は好調予測であるものの、上期の未達分を完全には取り戻せない見込みです。
3. 売上構成比の高い照明商品の伸びが重要
(中略)これらの商品が計画を上回って伸びなければ、年間目標達成は難しい構造です。
4. 販促施策への依存度が高い
(中略)つまり現在の予測自体が販促成功を前提としており、施策効果が想定を下回ると未達幅がさらに拡大するリスクがあります。
総合評価
現状の最大の課題は、上期の売上不足を下期で挽回し切れていないことです。そのため、売上構成比の高い照明カテゴリー3商品の販売強化と、計画済みの「夏の夜庭キャンペーン」の確実な成果創出が目標達成の鍵になります。現状の不足額は約261万円ですが、会議資料の追加売上目標290万円を達成できれば、単純計算では年間目標達成圏内に入る可能性があります。
【参照資料は同上】
細かく回答してくれましたけど、長くなるので途中省略しました。
それくらい的確な回答を返してくるのです。
では分析がある程度できたので、次に状況の改善のための販促案を考えてもらいましょう。
次のような質問をしてみました。
この状況を改善するために、販売計画・売上実績・チラシ企画案を踏まえて、販促施策を3案提案してください。
具体的に「いくつ」と数字を出しています。
Copilotの回答
施策① 夏の夜庭キャンペーン強化版(主力商品集中)
狙い/内容/期待効果
施策② 客単価アップ施策(セット販売・まとめ買い)
狙い/内容/期待効果
施策③ チャネル別重点販促
狙い/内容/期待効果
■優先順位
夏の夜庭キャンペーン強化(不足額261万円に対し追加売上目標290万円)
セット販売による客単価向上(利益効率が高い)
チャネル別販促強化(計画施策の実行徹底)
特に、照明カテゴリーの商品群は年間売上目標の中核であり、上期実績・下期予測ともに伸びが期待されているため、このカテゴリーへ販促予算とリソースを集中することが最も効果的と考えられます。
【参照資料は同上】
各施策は、「狙い」や「内容」、「期待効果」をテキストで説明してくれました。
そして施策順をそのまま優先順位として、販促の目的、主力商品へのリソース集中などを解説してくれていますね。
社内会議|この販促施策の必要性を上司に説く
とりあえず現場レベルでは、売上の現状から今後の見通しとその改善に向けた販促案を考えました。
問題は、これらの販促案を社内会議に出した時に、上司たちもしくは経営サイドから「販促施策は本当に必要なのか?」と問われる可能性があります。
そこで、Copilotに次のような相談を持ちかけてみたいと思います。
社内会議で経営者から『なぜこの販促施策をやる必要があるのか?』と聞かれた場合に、売上データを根拠として説明する回答を作ってください。
Copilotは、『経営者から「なぜこの販促施策をやる必要があるのか?」と聞かれた際は、目標とのギャップを数字で示し、そのギャップを埋めるための手段であることを説明するのが効果的です。』と回答してくれました。
そして、提示された回答例が以下となります。
Copilotの回答
「今回の販促施策を実施する理由は、現状の売上予測だけでは年間目標の達成が難しいためです。
当社の年間売上目標は4,649万円ですが、現在の年間売上予測は4,388万円となっており、約261万円の不足が見込まれています。現状のままでは目標達成率は94.4%に留まる見込みです。
一方で、上期の実績を見ると売上は月を追うごとに改善しており、6月には目標達成水準まで回復しています。さらに下期は、ソーラーランタンS・Lやソーラースポットライトといった照明カテゴリーの商品に需要拡大の余地があることが分かっています。これらは夏の夜間利用という明確な需要シーンがあり、販促によって購入を後押ししやすい商品です。
そこで、7月から8月にかけて『夏の夜庭キャンペーン』を実施し、重点商品の販売を強化します。この施策では追加売上290万円を目標としており、年間目標との差額である約261万円をカバーできる水準を狙っています。つまり、この販促施策は単なる販売促進ではなく、年間目標達成に必要な売上ギャップを埋めるための具体的な打ち手です。
したがって、この施策を実施する意義は『不足見込みの261万円を回収し、年間売上目標4,649万円の達成確度を高めること』にあります。」
【参照資料は同上】
この回答は、投入している資料から以下のような流れを汲んで回答例を作ってくれていると分かります。
- 上期実績
- 年間目標
- 下期予測
- 商品別売上
- 販促企画
最後に、Copilotは以下のように言っていました。
Copilotの回答
この回答は、経営層が重視する「目標との差額」「投資理由」「期待効果」を30秒程度で説明できる構成になっています。
社内資料を理解したうえで仕事を手伝ってくれているのがよく分かりますね。
会議終了|これからのタスクを整理する
社内会議も終わったので、これから営業部隊で行うタスクを整理してもらいましょう。
以下のように指示をします。
今日の会議資料とチラシ案を踏まえて、来週までに担当者が行うべきタスクを整理してください。
回答は全部で5段階によるタスクを洗い出してくれました。
順番に見ていきましょう。
Copilotの回答
1.販促施策の実行準備(最優先)
EC・販売チャネル向け販促準備
- 自社EC特集ページの構成確定
- セット販売企画の内容確定
- 送料無料条件の最終確認
- Amazon商品ページ改善内容の整理
- 楽天イベント・クーポン連携内容の確定
会議資料では、各販売チャネルごとに施策実施が前提となっています。
店舗向け販促準備
- 店頭POP制作
- 季節棚展開の企画共有
- 園芸店向け売場提案資料作成
会議資料ではホームセンターおよび園芸店向け施策が計画されています。
最優先として「販促施策」の準備に取り掛かりなさい、と言っています。
Copilotの回答
2. チラシ制作・クリエイティブ確定
チラシ案のブラッシュアップ
- キャッチコピー最終調整
- 重点商品の掲載順決定
- 商品画像・価格表記確認
- キャンペーン特典表示確認
- 校正実施
販促施策の中心テーマは「夏の夜庭キャンペーン」であり、重点商品はソーラーランタンS・Lおよびソーラースポットライトです。
次に販促チラシの制作を行うわけですね。
最優先で行う各販促準備を行って、元々素案ができていたワードファイルをブラッシュアップしていきます。
Copilotの回答
3. 売上目標・KPI設定
効果測定指標の確定
- 売上目標の設定
- 商品別販売目標の設定
- チャネル別販売目標の設定
- ECページ閲覧数
- セット販売率
- 客単価
- クーポン利用数
会議資料では「実施後の効果測定指標をどう設定するか」が意思決定事項として挙げられています。
実際に販促を行う前の各目標数値を決定していきます。
Copilotの回答
4. 重点商品の在庫確認
販売準備
- ソーラーランタンS
- ソーラーランタンL
- ソーラースポットライト
重点商品である上記3点の在庫状況確認と追加発注要否の判断。
これら3商品が施策の売上創出の中心とされています。
目標数値を決定後に、実際の主力商品の在庫を確認し、仕入状況によっては追加で発注を行うよう指示しています。
Copilotの回答
5. 経営会議向け報告準備
来週報告できる状態にしておく事項
- キャンペーン実施スケジュール
- 制作物進捗率
- 各チャネル担当者の役割分担
- KPI一覧
- 追加売上目標の達成シナリオ
現状予測では年間目標4,649万円に対して約261万円不足しており、販促による売上創出が必要とされています。
施策案では追加売上290万円を目標としています。
今週の準備を行いながら、来週の会議を見据えた報告書も同時に作成していきます。
そして、最後にCopilotは各担当のタスクを一覧表にしてくれました。
Copilotの回答
来週までの担当者別タスク一覧(推奨)
| 担当 | タスク |
|---|
| 販促担当 | チラシ・POP・EC特集ページ内容確定 |
| EC担当 | 特集ページ制作、セット販売設定 |
| モール担当 | Amazon・楽天施策準備 |
| 営業担当 | ホームセンター・園芸店への展開依頼 |
| 商品担当 | 重点商品の在庫確認 |
| 分析担当 | KPI設計・効果測定シート作成 |
| プロジェクト責任者 | 全体進捗確認・経営報告資料準備 |
【参照資料は同上】
販売チャネルが複数あるので、それぞれの担当に販促担当が行うタスクを挙げてくれました。
もちろん販促担当がいないのであれば、各チャネル担当が販促も担うなど、回答を基に会社の状況に合わせた柔軟な対応を取ればいいと思います。
合わせて、総合的な責任者や分析担当などが実施するべきタスクも一覧表としてくれていますね。
最後にまとめ
前回の最後にノースグリーン株式会社の現状のストーリーを確認していました。
- 上期は目標未達
- しかし月を追うごとに改善
- 下期は悪くない
- それでも年間では約259万円不足
- 販促で290万円の上積みを狙う
そして、今回実際に以下のようにCopilotと進めてきました。
- 現状の確認
- 目標未達の分析と今後の販促案の作成
- 社内会議で上司を説得
- 会議後のタスク整理
これだけでも営業の責任者にしてみたら、現状何をすべきか、どのように目標を定めていくかの道筋が相当はっきりするのではないかと思います。
「売上が伸び悩んでいる原因は?」、「チラシ案を改善して」、「経営陣向けに説明して」のように次々と質問をしても、Copilotは資料を読み解きながら適格な答えを返してくれていましたね。
すべてその通りに実行しなくても、営業責任者としての役割を果たすためにすべき仕事が、ある程度はくっきりと見えてきたような、そんな結果になったと思います。
さて次回は、もう少しプロンプトの指示を細かく分けてみたいと思います。