前回まで「OneNote」で使える「Copilot Notebooks(以降、Copilotノートブックもしくはノートブック)」について操作をしてきました。
架空の企業である「ノースグリーン株式会社」の営業担当の悩みから、Copilotに参照してもらうデータを与え、現状分析や今後の目標設定、会議資料を元にした経営陣への説明資料の作成などをチャットでのやり取りによって作成してもらいました。
ライセンス等によりOneNoteの「Copilotノートブック」が一部しか使えない場合は、「Microsoft 365 Copilotホーム」内の「Notebooks」でも同じ操作ができます。
この「Notebooks」はWeb版の「Copilotノートブック」となります。
今回は使う資料が同じながらも、もう少しプロンプトを細かく分けてCopilotとやり取りしてみたいと思います。
参照する5つの資料は前回までと全く同じものです。
ノースグリーン株式会社の営業が現在抱えている悩みも、向かおうとしているゴールも同じです。
全体の流れをもう一度おさらいしておきましょう。
- 資料を理解する
- 現状を分析する
- 問題を発見する
- 施策を考える
- チラシを改善する
- 会議資料を作る
- 会議後の行動に落とす
このプロセスが、今回はだいぶ細かくなっていくわけですね。
なお、前回まで使ってきたノートブックとは別に、今回新たなノートブックを立てて同じ5つの資料をアップして進めていきます。
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まず5つの資料を理解させる
今回は最初に、5つの資料をよく理解してもらうところから始めます。
質問1
このノートブックに登録されている資料をすべて確認してください。これらの資料がどのような業務上の目的で作成されたものなのか、それぞれの資料の役割と、資料同士がどのようにつながっているのかを整理してください。
回答は以下のようになります。

最初から分析をさせるのではなく、5つの資料の関係を理解させます。
改めて見ても「複数のファイルを別々に読むのではなく、ノートブック全体を1つの仕事の情報源として扱える」のがよく分かりますね。
経営者として現状を把握する
ここで経営者の立場に立ってもらって、各データの分析をしてもらいましょう。
質問2
経営者の立場で、この会社の2026年度の売上状況を分析してください。商品・販売先マスター、販売計画、売上実績・予測の3つの資料を横断して、①年間売上目標、②上期実績、③下期予測、④年間目標との差額、⑤特に注目すべき商品や販売先を整理してください。

上期実績:約1,965万円
下期予測:約2,423万円
合計すると「年間予測:約4,388万円」となります。
しかし・・「年間目標:約4,649万円」には「約261万円が不足している」という現在の状況をエクセルの参照ファイルを通じて拾ってくれています。
「何が問題なのか」を聞く
売上不足の原因を分析してもらいます。
質問3
現在の売上予測を見る限り、年間売上目標を達成できない可能性があります。この原因について、単に売上が不足しているという結論ではなく、「商品」「販売チャネル」「時期」の3つの観点から原因を分析してください。資料に記載されている数値を根拠として説明してください。

特に重要なのが「資料に記載されている数値を根拠として」という部分ですね。
ノートブック内の資料を根拠に「Copilotに考えさせる」質問をしています。
重点商品を決めさせる
重点商品の選定を行います。
質問4
年間売上目標を達成するために、今後の販促活動で重点的に取り扱うべき商品を3つ選んでください。商品マスターと売上実績・予測を参照し、売上規模、今後の需要、商品カテゴリー、販売時期などを考慮してください。また、選定理由を数値とともに説明してください。

実際のエクセルデータの数値を見れば、以下の3種類を提案してくるとは思っていました。
- ソーラーランタン S
- ソーラーランタン L
- ソーラースポットライト
Copilotは予測通りこの3種類を選定し、その根拠もきちんと提示してくれています。
販売チャネルについて考えさせる
前回のテスト質問ではあまり触れなかった「販売先」について尋ねてみましょう。
質問5
重点商品の販売を伸ばすために、自社EC、Amazon、楽天市場、北斗ホームセンター、花と庭の店グリーンハウスの5つの販売先をどのように使い分けるべきでしょうか。販売チャネル別の売上目標・予測と、各販売先の特徴を踏まえて、チャネルごとの役割と推奨施策を表形式で整理してください。

エクセルの参照資料から「販売先データ+商品データ」を横断して考えてもらいました。
「261万円不足」をどう埋めるか考えさせる
いよいよ本題です。
売り上げ目標の不足分について、穴埋めの方法を提案してもらいましょう。
質問6
年間売上目標と現在の売上予測には約261万円の差があります。この差を埋めるための販促施策を5案考えてください。各施策について、対象商品、対象販売チャネル、実施時期、期待する効果、想定されるリスクを整理してください。

ここまでくると、単なる資料検索に留まらず、意思決定支援として頼りたくなります。
正に「Copilotに会社の問題を相談している」状態ですね。
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提案された施策を批判的に評価させる
出してもらった施策の優劣をつけてもらいます。
質問7
先ほど提案した5つの販促施策について、費用対効果、実現可能性、実施までの準備期間、売上へのインパクトという4つの観点から評価してください。そのうえで、今回の会社の状況なら優先順位を1位から5位まで付けてください。

「AIに案を出させる」とした後に、ここでは敢えて「AIに案を評価させる」としています。
案を出してもらうだけだと「丸投げ」になります。
Copilotが出してきた複数案をさらに比較させるのが目的です。
Wordのチラシ案をレビューさせる
とりあえず販促計画ができたので、実際に配布するワードのチラシについて考えてみます。
質問8
「夏の夜庭キャンペーン」の販促チラシ案をレビューしてください。これまで分析した売上実績・予測、重点商品、販売チャネルの情報を踏まえて、チラシのターゲット、メインコピー、商品訴求、キャンペーン特典、CTAについて、それぞれ「良い点」「改善すべき点」「具体的な改善案」を整理してください。

ワードのチラシ作成とは言え、根拠となるデータはエクセルから来ています。
ここまでの流れで見ると以下のようになります。
- 売上データ
- 重点商品
- 販促戦略
- Wordのチラシ
大事なのは「会社の売上戦略から見て、このチラシは適切ですか?」と聞いている点でしょう。
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チラシを実際に改善させる
それでは実際にチラシ案の改善をお願いしましょう。
質問9
先ほどのレビューをもとに、「夏の夜庭キャンペーン」のチラシ案を改善してください。特に、重点商品の魅力が伝わり、購入につながる構成にしてください。ターゲットが「自分の庭でどのように使うのか」をイメージできるように、見出し、本文、商品紹介、キャンペーン特典、CTAまで具体的な文章にしてください。

分析→評価→制作の流れですね。
Copilotが「資料をもとに新しいコンテンツの作成もできる」のが分かります。
社内会議の論点を作らせる
さて、販売実施後の社内会議に向けた資料作りへと移ります。
質問10
現在の売上状況と、これまで検討した販促施策を踏まえて、経営会議で議論すべき論点を整理してください。特に「年間目標との差額約261万円をどのように埋めるか」という問題を中心に、経営者が意思決定すべき事項を5つに絞ってください。

データ分析から経営判断につながる部分ですね。
会議資料をチェックさせる
パワーポイントで作成途中の会議資料を経営者向けにブラッシュアップしていきます。
質問11
このノートブックにある「売上アップ社内会議資料」を、経営者向けの資料としてレビューしてください。売上実績・予測、販売計画、販促チラシ案との整合性を確認し、①数字の整合性、②論理のつながり、③意思決定に必要な情報、④不足している情報、⑤分かりにくい表現の5点について改善案を出してください。

パワーポイント資料の完成に向かうために、実際はエクセルやワードのすべての参照ファイルの整合性を取っています。
「Wordでは290万円の追加売上を目標としているが、Excelの不足額261万円との関係はどうなっている?」などをチェックしてくれています。
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最後に「次に何をすればいいのか」を聞く
とうとう最後の質問まで来ました。
「私たちが次に何をすればいいのか」を聞いてみましょう。
質問12
ここまでの分析を踏まえて、明日から実際にこの販促施策を実行するとしたら、営業企画部が行うべきタスクを整理してください。優先順位、担当部署、期限、必要な成果物、確認すべきKPIを一覧表にしてください。

これまでの売上データ分析、販促方法の判断、そして最後に相談者が実行すべき部分までをCopilotにすべて答えてもらいました。
Copilotの仕事を一覧表にしました
ここまで12個のプロンプトを投げて、すべて提示した資料を元に回答を詳細に返してくれました。
以下、一覧表にしておきたいと思います。
| 順番 | Copilotの仕事 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 1 | 資料全体を理解 | 5つのファイル |
| 2 | 売上状況を分析 | エクセル |
| 3 | 問題の原因を分析 | エクセル |
| 4 | 重点商品を選定 | エクセル |
| 5 | 販売チャネルを分析 | エクセル |
| 6 | 販促施策を5案作成 | エクセル |
| 7 | 施策を評価・順位付け | 5つのファイル |
| 8 | チラシ案をレビュー | ワード+エクセル |
| 9 | チラシを改善 | ワード+エクセル |
| 10 | 会議の論点を整理 | 5つのファイル |
| 11 | PowerPointをレビュー | 5つのファイル |
| 12 | 実行タスクを作成 | 5つのファイル |
最後にまとめ
今回の作業は全部で3段階に分けられます。
「資料を読ませる」1
3つのブック、全11シートのExcelファイルを入れてみたら、Copilotは何をどのように理解してくれるのか?
「仕事を相談する」2~7
分析、商品選定、販促施策の考案、施策の優劣判定
「資料を作らせる・チェックさせる」8~12
チラシの原案・改善、論点整理、資料完成、タスク提案
今回は架空の企業の営業資料を元に実務で使えそうな様々な質問をしてみました。
Googleの「Notebook LM」との違いはそれほどありません。
ただし業務資料をマイクロソフト系で揃えているなら「Copilotノートブック」の方が、分析からその後の資料作成までのように「次の仕事へのスムーズな進み具合」を体感できるかもしれません。
「アシスタントとしての力量」が高いのは、「Copilotノートブック」と言えそうですね。
実際はもっと資料数やデータ数は膨大でしょうから、この程度のやり取りでは終わらないかもしれません。
ただどれだけ数が増えても、質問(相談)する側の人間が資料を丸投げでは上手くいかないでしょう。
そのためにも自身できちんと資料を分析しておいたり、どのような指示を出すかをまとめたり、という作業は必要となるかもしれませんね。