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起業したばかりの頃、色々な備品を揃えていく準備期間で、導入するかどうしようか迷うものの一つに
「用紙サイズがA3まで対応している複合機(以降、複合機)」
がありました。
複合機と言えば、
「コピー」、「プリンター」、「スキャナー」、「FAX」と1台で何役もこなすあの大きな筐体を思い出しますよね。
契約形態はどうあれ、1台ないしは複数台を部署ごとにと設置している企業も多いでしょう。
「契約形態」と書きましたが、「複合機」というのは本体金額がとても高価で、細々と運営している会社にとっては簡単に「よしっ買おう!」となる代物ではありません。
そのため、運転を始めたばかりの会社、とくに融資に期待ができない資本力の弱い会社は、この大きな体で存在感ある機械の導入を迷ってしまう一因にもなるのです。
目次
複合機の購入・運用
リース契約
複合機の料金の支払い方法の一つに
「リース契約」
があります。
「リース料金を月々支払っている」会社は、資産計上しなくてもよいため、固定資産税や減価償却を考えなくて済みます。
さらに、初期費用が一切かからず、毎月の支払いを費用として処理できるので、一度に資金を回さなくて良いというメリットがあります。
デメリットとしては、リース会社に支払うリース料金や保険料などが上乗せされるので、リース期間満了時は購入時よりも割高になる、という点ですね。
途中解約ができないのもリース契約の特徴で、途中で解約する場合は、残債を一括で支払う必要が生じるのです。
保守業務
複合機の場合は「購入後に保守契約を結ぶ」ことがほとんです。
※一部の中古品などは保守契約を結ぶ必要がない機種もあります。
保守の種類も何種類かあるのですが、やはり複合機を使う上で契約したい保守は
「カウンター保守」
になるでしょう。
毎月一定のカウンター料金を保守業者に支払うことによって、複合機を円滑に利用できるようにするものです。
この「カウンター料金」とは、印刷枚数に単価をかけて算出され、月々一定額を保守業者に支払うものです。
毎月の保守費用の支払いは発生しますが、機械の修繕費はもちろんのこと、トナーなどの消耗品代もこの「カウンター料金にすべて含まれている」ので、ランニングコストで見ると1枚の印刷単価が割安になるのです。
この保守の種類は、利用者が選ぶことはできません。
複合機の性能によって加入できる保守の種類が決められていて、
「カウンター保守」は印刷速度が速く、性能のいい複合機の場合に契約できることが多いのです。
つまり、それだけ複合機の本体金額は高くなるということですね。
実は、一人親方や小規模の会社で困るのがこの「保守」なのです。
業務で使用する複合機は、保守の加入が必須です。
その代わり、保守を締結する業者によっては、いつでも解約することも可能になっています。
だからと言って、購入後すぐに壊れやすい複合機の保守をやめてしまっては、
「いつ壊れて高額な修理費が発生するかもしれない」という恐怖に怯えることになりかねません。
ランニングコストを考えた時には「カウンター保守」を結べる機種がいいのですが、
その場合の本体金額は高くなります。
従業員数が少なく、印刷頻度がそれほど多くないのであれば、「カウンター保守」を組めない性能の落ちる(本体価格が安い)複合機を選択するかもしれません。
そうすると、修理費だけが無料の保守しか組めず、「指定された(純正品など)金額の高いトナー」等の消耗品は有料となります。
こういった時に、突発的に複合機の使用頻度が上がったりしたら大変です。
なんだかんだ言っても消耗品の金額が一番かかりますので、
これを保守の範囲で無料になるかどうかで、保守料金はだいぶ変わってきます。
そういった意味でも、保守の1枚単価が一番安い「カウンター保守」を結びたいので、本体選びから慎重に行わなければならないということになります。
複合機の機能を選択すると・・
費用面を除いて、複合機の導入に悩むもう一つの理由は、「欲しい機能の選択」にあります。
”印刷はやっぱりレーザーがいい”
”A3まで印刷したい”
”カラーじゃなきゃダメ”
”ついでにFAXも使えたら”
”両面コピーができるといいな”
”ハードディスク付きにしよう”
など、複合機と言うだけあって求める機能も多岐にわたります。
複合機が持っているような機能の多くを欲しいとなると、やはり高い金額を払ってでも導入を考えざるを得ません。
では、欲しい機能を削ってみてはどうでしょうか。
上のような要望がある中で、10万円を切る値段で購入できそうな「機能の削減」を考えるとやはり
「A3対応」
になるでしょう。
「A4」までで良ければ、パーソナル複合機として各メーカーからも色々な機種が販売されています。
もう一つ、「インクジェット」で良ければ、やはり10万円をきる値段でA3対応のプリンターもコピーもできる機種があります。
では、「FAX機能」を削るとどうでしょうか。
最大用紙サイズや印刷方式と合わせて、FAXも別の方法を考えれば、コストパフォーマンスを考えた運営ができるかもしれません。
ここでは、なるべく複合機を導入しない運用を考えてみたいと思います。
今時FAXって必要?
ぶっちゃけた話ですが、あなたがもし
「御社はFAXを必要としていますか?」
と聞かれた場合、どのように答えるでしょうか?
メールなど、電子のコミュニケーションツールがある現代において、FAXの需要がどれほどあるか、というと”う~ん”と考えてしまう人もいるかもしれませんね。
見積書や契約書などの重要な書類も、今ではメールに添付して送れるような時代に、わざわざFAXで送らなくても・・ということです。
しかし、実際は書面で保管しなければならないような書類もありますし、
年配の方が多い会社さんですと、”メールよりもFAXにしてちょうだい”という場合も多いです。
「注文書はFAXで」、という会社さんは今でも驚くほど多いのです。
また、メールで送ってしまうと
「印刷物で確認したいと思った先方に印刷をさせてしまう」
という手間の問題も出てきます。
それなら、「やはりFAXは必要だ」となると、
今度は電話番号と同じFAX番号は敬遠したい、という思いも膨らむかもしれません。
そういう意味でも、FAXの需要が消えていくことはないのかもしれませんね。
複合機とFAXを切り離すなら
電話・FAX一体型
電話機を電話とFAXの一体型にしてしまえば、複合機にFAXが付いていなくても問題なさそうです。
デメリットとしては以下が挙げられそうです。
- 電話番号とFAX番号が同じになる
- 感熱紙などで印字が汚いことが多い
- 送信・受信の速度が遅い
インクジェット一体型
インクジェットプリンターと一体となっているFAXに子機が付いて電話もできる、という機種もあります。
でも、同様に電話番号とFAX番号が一体となります。
インターネットFAXを考える
それでは、FAXの送受信もインターネットを使ってみる、という形はどうでしょうか。
相手がFAXの形式を望み、こちらは正直FAXでもメールでも何でもいいという場合の便利ツールです。
■電話番号とは違う「03から始まるFAX番号」がもらえる
■メールの宛先に相手FAX番号の入ったアドレスを入れれば、相手に「FAX用紙」として送られる
■相手から受信したFAXをメールで受け取り、いつでもどこでも見ることができる
受信や送信に枚数制限はあるものの、月額のこの安さに加えてFAX専用の番号が持てます。
何と言っても、通信費やFAXにかかるインク代などを抑えることができます。
FAXの使用頻度が少なく、会社に誰もいなくなることも多い、という場合には、外出先にスマホからWordやExcelなどのデータを手軽に送信できるのが、非常に便利です。
環境によって導入する機種はこうなる?!
プリンター周りをどうするか、と立ち止まって悩んでいる「起業したばかりの経営者」の方には、こんな選択肢があるかもしれません。
印刷もコピーもコンビニへ、電話とFAXさえあればいい
これは、もう「インターネットFAX」だけ契約しておきましょう。
電話番号とは別のFAX番号を手軽に持てますし、社内がペーパーレスであれば、その環境にもマッチしています。
印刷やコピーが必要な時に、コンビニまで走るのが面倒くさいですけどね・・
A3対応カラーレーザープリンターとインターネットFAXのみ
とりあえずプリンターで印刷だけができればいい、という場合は、A3まで印字できるレーザープリンターを用意しておきます。
無線LAN対応は必須ですね。
機械費用は、両面印刷や増設カセットなどのオプションを付けるかで若干変わってきますが、
「3万円から4万円ぐらいの間」で購入することができます。
FAXは、電話番号と同じ番号を避けるためにも、「インターネットFAX」を利用します。
A4対応カラーレーザー複合機
「おそらくA3サイズの印刷はいらないだろう」と予測がつくのであれば、
「A4カラーレーザー複合機」の導入を考えます。
A4サイズまでであれば、無線LANや両面プリントが標準で対応していて、安くて3万円前後で購入できる機種があります。
また、現在電話回線が1回線1番号であれば、安価に番号追加することができます(光回線など)。
FAX用の番号を増やせば、電話番号とは違う番号でFAXも使えるようになります。
どうしてもA3の印刷とA3のコピーの両方が必要
最初から複合機の導入を考えるしかないですね。
FAX用電話回線の引き込み、もしくは現在の電話回線に電話番号を追加するなども考えます。
一括購入で資産計上するか、リースで費用対効果を発揮させるかを決めなくてはなりません。
総括
つらつら書いてきましたが、かくいうわたくしの場合はどうだったかと言うと・・・
A3のプリントは絶対ないし、コピーもそんなに必要ないと思いましたので、
A4対応のカラーレーザープリンタ1台とインターネットFAXにしました(上の例にないやん)。
しかし、ビジネスの環境はどこでどう変わってくるか分かりません。
その時々で必要となる資源をすばやく用意して、大事なチャンスを逃さないようにしたいですね。
それにしても、複合機って相変わらず高いですねぇ。
逆に言うと、複合機の導入を迷いもなく考えられるようになったら、あなたの事業もオープニングから一歩・二歩前に進んだ証かもしれません。
お互いに頑張っていきましょう。
当サイトは、起業したばかりで髪を振り乱して走り始めたあなたをこれからも応援していきますよ。