このページには広告が含まれる場合があります。
図面作成アプリの「Lucidchart」には多くのテンプレートが用意されています。
フロアマップやマインドマップを作成したり、時にはサーバを収めるラック図やビジネス図を作成したり、と様々な図面を作成できるわけですが、その中でも「ロジカルシンキング」に特化した図面は多種多様です。
今回は、そのロジカルシンキングでよく使われる図面3つの作り方を見ていきたいと思います。
フィッシュボーンダイアグラム
「フィッシュボーンダイアグラム」は、ある問題に対してそれを引き起こしている要因を線の太さを使って網羅していく方法となります。
図形全体が魚の骨のように見えるので、この名前が使われています。
「フィッシュボーンダイアグラム」を使うと、要因が定量的に可視化できるので問題の解決策までの道のりが見えやすくなります。
「Lucidchart」では、テンプレートに「フィッシュボーン図テンプレート」が用意されています。
テンプレートのカテゴリは、「事業分析」になりますがテンプレートの検索で「フィッシュボーン」と入力しても、検索されます。
テンプレートを開くと、既に問題提起とその要因が入力されています。
右端が問題提起(魚の頭部分)となります。
この場合、「なぜジャムが売れないのか?」という問題の要因を探っていこうとしているわけですね。
魚の体(骨)の部分に、その要因を次々と書き足していくわけですが、
体の一番外側にある問題が「大要因」となります。
ジャムが売れないのはなぜか??
まず考えられる大きな要因として挙げられたのが、以下の6つになります。
- 方法
- 材料
- 測定
- 機械
- マンパワー
- 環境
テンプレートでは、この6つが体の上下に書かれていますが、これ以上に大要因があるのであれば体を長くして継ぎ足していきます。
そして、各大要因からさらに踏み込んだ問題点が「中要因」になります。
例えば、「材料」という問題点からさらに掘り下げると、ジャムの原料となるイチゴについて
・イチゴ自体に問題がある
・季節的に美味しくないイチゴが材料となっている
・原材料の原産地や収穫までの流れに問題がある
などが考えられているのです。
そして、「環境」面で見た場合、
従業員の働く環境が悪かったり、
従業員同士で話がまとまらない
などが挙げられます。
そして、その「話がまとまらない」要因は何か・・
と探っているのが「少要因」となっています。
話がまとまらない理由は、「従業員同士が近すぎる」のが問題なのではないか、というわけです。
このように、「ジャムが売れない」という問題点の要因が隅々まで特定されていくので、要因を定量的に可視化できる、という特長があります。
加えて、体の部分を伸ばしたり大きくすれば、どんどん要因を追加できるのも優れた事業分析手法の一つとなっています。
「Lucidchart」では、上のようにあらかじめテンプレートで形が作られていますので、
後は、線を新たに引っ張ったり、文字を修正・追加したりするだけで自分たちが求める「フィッシュボーン図」が完成します。
ビジネスモデルキャンバス
「ビジネスモデルキャンバス」は、自社の利益を生み出す仕組みとなる「ビジネスモデル」を可視化するための手法となります。
9つある要素の中で、メインとなるのは
「価値提案(Value Propositions[VP])」
です。
「ビジネスモデルキャンバス」の各要素で中央部分に位置し、
「お客さんのメリットとは?」
「お客さんにどのような解決策をもたらすのか?」
が書かれます。
それ以外の8つの要素は以下のようになります。
- パートナー(Key Partners[KP])–協業するパートナー
- 主要活動(Key Activities[KA])–利益を生むための主要な活動
- リソース(Key Resources[KR])–利益を生むための資源
- 顧客との関係(Customer Relationships[CR])–顧客との関係はどのようなものか
- チャンネル(Channels[CH])–顧客へ価値を届ける経路
- 顧客セグメント(Customer Segments[CS])–価値を提供する顧客のセグメント
- コスト構造(Cost Structure[CS])–必要なコストとその構造
- 収益の流れ(Revenue Streams[RS])–協業するパートナー
「Lucidchart」では、「事業分析」のカテゴリ内に「ビジネスモデルキャンバス」のテンプレートが用意されています。
既に9つの要素に分けられているので、各要素に文字を入力するか、
あらかじめ挿入されている付箋紙内に文字を書いていけば完成するようになっています。
各要素内の記入事項が複数ある場合は、付箋紙をコピーして使っていきましょう。
ブレインストーミング
最後に、有名な「ブレインストーミング(ブレスト)」のテンプレートです。
与えられたテーマからアイデアを無限に生産する手法ですね。
「Lucidchart」では、やはり「事業分析」カテゴリにテンプレートが用意されています。
ブレストでは、以下の4つを重要視します。
- 質より量
- アイデアへの批判は受け付けない
- 他の人が出したアイデアへの便乗は歓迎する
- 荒削りなアイデアも大歓迎する
「Lucidchart」では、「ブレインストーミング」のタイトルの下に、
3つの枠があります。
左側には「トピックや問題」を書きます。
議題となるテーマなどを記載し、それについての意見を各ユーザーから集めます。
中央の「チーム」には、参加している部署名などを記載し、
右側の「コメント」には、ブレストに関して残しておきたいメモなどを記載します。
その下にある付箋に、各参加者の意見を書いていきます。
付箋はダブルクリックするだけで、付箋内の文字を編集できますので、
このテンプレートを使えば、デザイン的に手を加える必要はないでしょう。
総括
「Lucidchart」で用意されているテンプレートは豊富にありますが、
その中でも特にロジカルシンキングに使われるテンプレートを3つだけ選んでみました。
最後の「ブレインストーミング」は、多くの人数から多くのアイデアを引き出すだけなので、
最終的にアイデアをまとめていく必要があります。
その手法として「KJ法」や「マインドマップ」、「なぜなぜ分析」が使われます。
■KJ法
■マインドマップ
「KJ法」や「マインドマップ」は、「Lucidchart」にもテンプレートが用意されています。
どちらも複数のアイデアやキーワードから体系的に情報をまとめていくのに適していますね。
トヨタの生産方式でも採用されている「なぜなぜ分析」は、その流れをシンプルに描けるため「Lucidchart」でのテンプレートは用意されていません。
そのため、自分で作成する必要がありますが、以下のように「四角」と「矢印」だけで簡単に作成できます。
集中力が上がらない要因を探す、というしょうもない分析をしていますが、あるテーマを段階的に掘り下げていくために、「なぜ?」を連続で問いかけていくだけで絶大な効果を得られるのです。
そして、このシンプルすぎる「なぜなぜ分析」をもっと細かく記録的に網羅していく場合に、
最初に挙げた「フィッシュボーンダイアグラム」を利用するのです。
さて、いかがでしたでしょうか。
「Lucidchart」や「Visio」のように図面を作成するアプリ、と言われると「建築のレイアウト」や「ネットワーク図面」などを想像してしまうかもしれませんが、今回紹介したようなビジネス現場で必須の「ロジカルシンキング」を簡単に表現できる図面もたくさん用意されています。
テンプレートから自分なりに図面を発展させてもいいですが、
もちろんそのまま使えるテンプレートばかりなので、「ロジカルシンキング」だけに集中して取り組めるでしょう。
すべてをフルで使うには、有料アカウントが必要となりますが
クラウドベースでいつでも手軽に作成した図面にアクセスできる「Lucidchart」をビジネス現場で最大限に活かしてていきたいものですね。