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前回、メール配信サービスを利用して自社でメールマガジンを送信するために使ってみたい6社を「ステップメールを使う」前提で比較してみました。
今回は、前回の補足として以下の点を比較してみます。
- 添付ファイル付きメールを送信する
- 差込データでメールを送信する
- 実際の送信前にテスト配信する
- HTMLとテキストの形式を切り替える
長くなっておりますが、もう少しお付き合いください。
なお、無料トライアル期間や最低契約期間、初期費用や月々の利用料金などは前回と変わらないので、これらの情報を知りたい方は、上の前回の記事をご覧ください。
各送信方法について
添付ファイル | パーソナライズタグ | テスト配信 | マルチパート | |
---|---|---|---|---|
WiLL Mail |
あり | あり | あり | あり |
ブラストメール | あり | あり | あり | あり |
メール商人 | あり | あり | あり | なし※ |
メールスマート |
あり | なし | なし | なし |
アスメル |
なし | あり | なし | なし |
める配くん | める配アタッチ500 | あり | あり | あり |
添付ファイル付きメールを送信する
大量の配信先に一斉にメールを送信するのは簡単ではありません。
そのため、どのメール配信サービスもメール未達を「0」にするため定期的に改善を行っています。
大量に送られるメールがスパムとして判定されないように各社が手を尽くす上で、”本当は提供したくないサービス”がこの「添付ファイル付きメールを送信する」ではないかと思います。
本当のスパムメールでは、添付ファイルを開かせてフィッシングサイトへのリンクをクリックさせるものがあるので、添付ファイル付きのメールを大量に送信する行為は、スパムメールであると判定されやすいのです。
さらに、添付ファイルを付けるだけでメールそのものの容量が重くなるため、メールサーバーに負荷が掛かるのもサービスを提供する側としては、悩ましい問題となるでしょう。
しかし、今回挙げた各メール配信業者は、この「添付ファイル付きメール」を以下に挙げたような形で対応しています。
- 管理画面に添付したいファイルをアップロードし、メールには発行されたダウンロードURLを記載
- テキストメールのみOK。ただし添付ファイルの容量は制限値以下
- 添付ファイルをメールと一緒に送信
- 管理画面でファイルアップロード機能は提供しないため送信者が自分で用意
- 添付ファイルをメールに付けて送信できるプランを用意
この「添付ファイル付きメール」については、各社でほぼ対応が違うのが分かりますね。
「1.」が、メールの送受信容量にはほとんど影響を与えない形式です。
しかも、メールの受信者が添付ファイルをダウンロードしてくれたかどうかを調査できる上に、
”期間限定の案内ファイル”のようにいつまでもダウンロードしてほしくないファイルであれば、期日後に管理画面にアップロードしたファイルを削除するだけで、メール受信者はこのファイルをダウンロードできなくなります。
メール送信側としても使い勝手のいいこの形式は、「WiLL Mail」と「メール商人」が対応しています。
「2.」は、元々容量の少ない「テキストメール形式」であれば添付ファイルを付けられる形式となります。
添付ファイルのサイズが50KB以下で、ファイルタイプも限定されてしまっているのが難ですが、メールの受信側がメール画面のまま添付ファイルを確認しやすいのが利点となります。
この形式は、「ブラストメール」が対応しています。
「3.」は、管理画面で添付ファイルを管理できる上に、それを添付ファイルとしてメールに付けて送信できる形式となります。
最大で3つまでですが、「2.」と同様に受信側はメール画面のまま添付ファイルを確認しやすいのが利点となります。
この形式は、「メールスマート」が対応しています。
「4.」は、メール本文にURLを記載してダウンロードしてもらうという点では「1.」と同様になりますが、管理画面に添付ファイルを挙げるわけではなく、アップロード先を自分で用意しなければなりません。
この形式は、「アスメル」が対応しています。
「5.」は、添付ファイル付きメールを送りたい場合は、プランを別途契約しなければなりません。
この形式は、「める配くん」が対応していますが、送信できるアドレス数が「500件」と少ない上に、通常メールと管理が別になるので、正直あまりお薦めはできません。
パーソナライズタグ
「パーソナライズタグ」とは、個別情報をメール内に差し込みできる、いわゆる「差込メール」となります。
メール本文や件名に、自分の名前が表示されたメールを受け取ったという経験のある方も多いでしょう。
メールで案内をされた側(受信側)からすれば、直接語りかけられているような気持となり、商品案内メールなどであれば購買意欲となります。
送信側は、顧客情報をリストとして持っているので、
「北海道にお住まいの方々~是非是非ご覧ください!!」や
「佐藤様にご案内です!」のようなメールを送信できます。
メールマーケティングにおいて、この機能は必須と言えるでしょう。
「メールスマート」以外は、この機能を提供しています。
テスト配信
文章を作成したり、プログラムを開発したり、やはりプレビューやプロトタイプのようなテストビューはどんな場面でも必要となります。
メール配信においても、多くの顧客にメールを送るわけですから誤字脱字も含めてなるべくミスのないようにしたいものですよね。
この「テスト配信」は、「WiLL Mail」、「ブラストメール」、「メール商人」、「める配くん」と多くが提供しています。
テスト用のメールアドレスに実際に送信できるので、HTMLメールの内容などは受信者にどのように表示されるかを確認できます。
マルチパート配信
「マルチパート」とは、メールに「HTMLの情報」と「テキストの情報」を両方持たせ、受信者の閲覧環境によって適切な形式で表示してくれる機能となります。
「テキスト形式のメール」が閲覧できない環境はまずないので、
「HTMLメール」を表示できない場合に、「テキストメール」の形式で表示するパターンがメインとなります。
「HTMLメール」を中心に配信したい場合には、この「マルチパート」があるといいかもしれません。
「WiLL Mail」、「ブラストメール」、「める配くん」の3つがこの「マルチパート」に対応しています。
※「メール商人」は、「マルチパート」ではないのですが、HTMLメールがうまく表示されない時にブラウザで表示するためのURLが付きます。
総括
さて、2回にわたって「メール配信サービス」についてお送りしてきましたがいかがでしたでしょうか。
「メールを一斉に配信する」とシンプルそうに見えますが、実は”一斉に大量にもれなくメールを送信する”という技術は簡単ではありません。
そう見えてしまう理由の一つが「まぐまぐ」という無料でメールマガジンを配信できるサービスの存在にあります。
無料で配信できる代わりに、ステップメールは送れませんし、特定のカテゴリの人たちへも送れません。
そもそも顧客リストを管理するような機能を持てないのです。
「メールを書いて不特定多数の人へ送信するだけ」
それが、「まぐまぐ」のような無料のメール配信サービスです。
それと比較すると、有料のメール配信サービスの多機能さが際立つと思います。
まぐまぐでメールマガジンの発行を練習してみるのはありですが、自社の顧客と繋がっていこうと考えるのならメールマーケティングが絶対に必要となります。
その場合は、今回ご紹介したようなメール配信サービスを検討してみてください。
今回の6社はどれも、既存の顧客情報をCSVファイルで一気にデータベースにアップロードできる機能を持っているので、顧客リストのある方は配信先を1から開拓しなくても大丈夫です。
個人的には、以前利用していたメール配信サービス(6社の中にあります)をお薦めしたいのですが、こうやって並べてみるとどれも遜色ないので、やはり自分に合う料金体系やスペックなどから是非探し当ててみてください。